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薬剤師によるがん患者さん向け情報サイト

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公開:2022年2月15日
更新:2024年8月

監修:埼玉医科大学国際医療センター薬剤部 部長
牧野好倫 先生

口内炎

がん薬物療法では、細胞障害性抗がん薬、分子標的薬などの薬を使用することで、副作用があらわれることがあります。そのあらわれ方や時期は使用する薬によって異なりますし、患者さんの体調や体質によっても異なります。
重篤な副作用がでた場合、治療内容の変更や治療を断念せざるを得ないこともあります。
そのようなことを防ぐためにも、自分が治療に使用する薬で生じる副作用について知ること、そして疑問や不安があれば確認しておくことが大切です。
気になる副作用があらわれたら、ただちに医師や薬剤師などの医療スタッフに連絡してください。

がん薬物療法では、細胞障害性抗がん薬、いくつかの分子標的薬などにより、がん細胞だけではなく口の中の粘膜や唾液を出す正常な細胞にも影響が及ぶと、口内炎が生じることがあります。
しかし、がんの治療中には、口腔ケアが十分にできない、免疫力が低下している、食事があまり食べられず栄養状態がよくないなど薬の影響以外にも口内炎を発生させる原因はあります。
口内炎による痛みがあり、食事がとりにくいなどの支障が出たら、医師や薬剤師など医療スタッフに相談してください。
口内炎は投与後数日からあらわれることがあります。ただし、あくまで目安であり、実際の発現時期や期間には個人差があります。

在宅時のセルフケア

口内炎の予防のためにも悪化を防止するためにも、口腔ケアをしっかりしましょう。やわらかめの歯ブラシを使い、歯や歯ぐき、舌をやさしくブラッシングします。歯と歯の間は歯間ブラシやワンタフトブラシ(通常の歯ブラシの3分の1程度の小さな歯ブラシ)を利用するとよいでしょう。入れ歯の人も毎食後口をすすぎ、1日2回程度やわらかいブラシで口腔ケアをしましょう。このとき、口の中の粘膜を傷つけないようにします。
口内炎があるときには歯磨き剤も刺激になることがあります。低刺激性の歯磨き剤にする、もしくは一時的に使用を控えたほうがよいこともあります。
刺激の強い食べ物や熱い食べ物により口腔粘膜がダメージを受けることもありますので気を付けてください。
口の中を清潔にするだけではなく、うるおいを保つためにもうがいは役に立ちます。
自分で歯みがきをするのが難しい患者さんに対しては、周囲の方が口腔ケアのサポートをしてあげてください。医師や看護師、薬剤師などの医療スタッフに相談してみましょう。