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薬剤師によるがん患者さん向け情報サイト

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公開:2022年2月15日

監修:埼玉医科大学国際医療センター薬剤部 部長
牧野好倫 先生

吐き気、嘔吐

がん薬物療法では、細胞障害性抗がん薬、分子標的薬などの薬を使用することで、副作用があらわれることがあります。そのあらわれ方や時期は使用する薬によって異なりますし、患者さんの体調や体質によっても異なります。
重篤な副作用がでた場合、治療内容の変更や治療を断念せざるを得ないこともあります。
そのようなことを防ぐためにも、自分が治療に使用する薬で生じる副作用について知ること、そして疑問や不安があれば確認しておくことが大切です。
気になる副作用があらわれたら、ただちに医師や薬剤師などの医療スタッフに連絡してください。

がん薬物療法では、細胞障害性抗がん薬、いくつかの分子標的薬などにより、消化管の粘膜や脳の中の神経が刺激されて吐き気・嘔吐が起こることがあります。ただし、がん薬物療法の副作用としての吐き気・嘔吐がなぜ起こるのかは、まだ完全にはわかっていないところもあります。
吐き気・嘔吐は抗がん薬の代表的な副作用のひとつですが、すべての抗がん薬で起こるわけではありません。
吐き気・嘔吐を催しやすい抗がん薬を使用する場合は、事前に制吐薬を投与するといった予防対策が行われるようになってきました。現在では、嘔吐はこれらの予防対策や新しい制吐薬の開発により、多くの患者さんでコントロールできるようになっています。一方で吐き気はまだまだ患者さんのがん薬物療法における苦痛として課題が残っています。
薬の副作用による吐き気・嘔吐を一度でも経験すると、次回の治療でもそうなるのではないかと不安が高じて、ムカムカしたり吐き気を催したりすることがあります。そのような精神的な要因で起こる吐き気・嘔吐が起こらないようにすることも大切だと考えられるようになっています。
吐き気・嘔吐のうち、急性のものは抗がん薬投与後24時間以内に出現し、遅発性のものは投与後数日から1週間くらいの間に出現することが多いといわれています。ただし、あくまで目安であり、実際の発現時期や期間には個人差があります。

在宅時のセルフケア

ムカムカするときや、気分がすぐれないときは、食事もとりたくないでしょう。これまで通りの時間に厳密に食事をするのではなく、食べられるときに食べられるものを口にするようにします。
場合によっては、食べものの匂いが吐き気を誘引することもあるので、匂いがあまりないもの、さっぱりした口当たりのもの、消化のよいものがお勧めです。
ただし、脱水症予防のためになるべく水分は摂るように心がけましょう。水分の摂取も難しいような場合には担当の医師や薬剤師などの医療スタッフに相談してください。
窓をあけて新鮮な空気を入れるなど、リラックスできる環境やスタイルで過ごすことも重要です。