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薬剤師によるがん患者さん向け情報サイト

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公開:2022年2月15日

安全で有効な薬物療法を支える医薬分業
患者さんが安心して治療を受けていただくために

現在、多くの方は病院で処方せんを受け取り、保険薬局でお薬を購入していると思います。これは、より安全にお薬が患者さんの手に届くための取り組みで、医薬分業と呼ばれています。
お薬のプロである薬剤師の役割や、安全な薬物療法を支える取り組みについて、聖マリアンナ医科大学病院薬剤部長の田中恒明先生にお話をうかがいました。

田中恒明 先生1

(取材日時:2021年6月22日 取材場所:神奈川県横浜市内にて)
聖マリアンナ医科大学病院
薬剤部 部長 田中恒明 先生

田中恒明 先生1

「医薬分業(いやくぶんぎょう)」とはどのようなものですか?

医薬分業とは、お薬を医師が処方し、薬剤師が調剤することです。
薬剤師は、年齢や性別、腎機能の数値、アレルギーの有無、ほかに受診している病院はあるか、ほかに服用している薬はあるかなどを確認し、薬学の専門家として処方せんに書かれた内容が適切かどうかを判断します。これは薬剤師の重要な仕事のひとつで、「処方監査(しょほうかんさ)」といいます。
そして、処方内容に疑問があれば、薬剤師から処方せんを発行した医師に問い合わせをします。これを「疑義照会(ぎぎしょうかい)」といいます。
医師と薬剤師で納得できるまで処方内容を確認し合う必要があり、薬剤師には薬の専門家として医師に意見をいえるだけの力量が求められます。

「疑義照会(ぎぎしょうかい)」について、詳しく教えてください。

疑義照会の目的は、患者さんごとに最適なお薬を提供すること、つまり“処方の適正化” です。疑義照会については「処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。」(薬剤師法第24条)と法律で定められているのです。

疑義照会は、「すでに服用している薬と飲み合わせが悪い」「副作用を予防する薬も一緒に服用した方がよいと思われる」「以前に同系統の薬で発疹が出たことがある」「年齢や体重から考えて薬の量が多いと思われる」など、薬剤師が気づいた内容を医師に問い合わせます。患者さんから「飲み忘れを防ぐために1回にのむ薬を1袋ずつパックにしてほしい」「粉薬から錠剤に変更してほしい」などの希望があった場合にも問い合わせる必要があります。